2007年04月27日
夏の日の思い出
今日は、ぼくが子供だったころの思い出を書こうかと思います。
思い出すだけで、身の毛もよだつ体験です。
心臓の弱い人は、読まない方がいいかも・・・
(注意)長いので、時間のある時に読んでください
・・・あれは、ぼくが小学校3年生くらいの夏休みの出来事でした。
近所のしげちゃんとぼくは大の仲良しで、ケンカもしましたがいつも一緒に遊んでました。
しげちゃんは、虫を捕まえるのが得意で、よく二人で近くの山に入ってはカブト虫やらクワガタ
やら、カエル、赤ベラ、カマキリ・・・など、虫という虫を集めて遊んでいたものです。
子供だったので、どこでも行くし、どこでも入るし、山や田んぼ、池や川、射撃場や納屋。
怒られても懲りない、近所でも有名な悪がきコンビでした。
ぼくの家の前には牛舎が2舎あり、その裏の山がぼくたちの縄張りでした。
その牛舎は今となっては、引越してしまいなくなってしまいましたが、夕方になると
モォ~とか、ムヒィーッとかいう声が響き、夕焼けとともに山おろしの風にのって
牛の糞尿のにおいが漂ってきます。
当時は当たり前だったので、くさいと思ったことはなく
どちらかといえば、好きだったような気がします。
事件が起きたその日は、朝から薄暗く今にも雨が降りそうなジメジメした暑い日でした。
いつものようにぼくたち悪がき二人は、夕方のパトロールをしに裏山に登りました。
次の日の朝一番にカブト虫を捕まえるべく、仕掛けの様子を見に行くのです。
木の切り株にガーゼに砂糖水を含ませ、割れ目に押し込んで置き、
それを10箇所くらい仕込んで、毎朝ラジオ体操前に見に行くのです。
多いときは一株に5~6匹くらい、カブト虫が集まっていますが、大概その3倍は
スズメバチや体長15cmほどの大きい蛾や名前の知らない気持ち悪い虫がいます。
それらをなんとか振り払い、お宝をゲットするのです。
砂糖水の入ったビニール袋と、アミとカゴを持ちいつもの巡回を終えると
薄暗かった空から、ポツッポツッと雨が落ちてきました。
気がつくと、空は厚い雲に覆われ、真っ暗になりかけてます。
こりゃひと雨くるなと察知したぼくたちは、大雨になる前に帰ろうと、田んぼのアゼを
いつものようにカエルや赤ベラを探しながら帰りかけ、田んぼの真ん中辺りまできた
ところで、バケツをひっくり返したような雨が降ってきました。
ぼくとしげちゃんは顔を見合わせ、ニサリと笑いました。
実は、秘密の雨宿りの場所があったのです。
ぼくはその時、家から懐中電灯を黙って持ち出してました。
当時懐中電灯は、子供の憧れの宝物でした。
暗闇を照らす懐中電灯は、夜更かしやいたずらをするには最高のアイテムで
何度となく黙って持ち出しては、隠し持っていたので、よくお袋に叩かれました。
その日も首尾よく懐中電灯を持ち出したぼくは、落とさないようにポケットから
出し、しっかりと握って秘密の場所へ走り出しました。
その秘密の場所とは、昔誰かが掘った、防空壕。
当時ぼくたちは、そこは洞穴だと思ってましたが、防空壕だったという
その事実は後になってから知りました。
その洞穴は、道からそれて一段上がった墓地の裏にありました。
間口は約1mくらいで、奥行きは大体5~6mくらいで子供が入ると
膝立してやっとぐらいの高さで、天井からは草の根っこが垂れ下がり
一番奥にはコップや茶碗のようなものがあり、なにやら薄気味悪い感じが
ありましたが、子供だったぼくたちには恰好の遊び場でした。
それまでぼくたちは、何度となく入ってはお菓子やジュースを持ち込み
寝そべって遊べるように、ゴザまで持ち込みひと時の冒険を楽しんでいました。
勢いよく振り続ける雨は止むどころか、ますますひどくなってきます。
びしょびしょになったぼくたちは、懐中電灯を点ける間もなく、その洞穴に
滑り込みました。
薄暗い洞穴の中でぼくたちは、顔を見合わせほくそ笑み、
どうしてこんな時に、お菓子とジュースを持って来なかったのか悔やみました。
しかしそんな浮かれた気持ちは、一瞬にして消え去りました。
何かいる?
何かがぼくたちを凝視するかのような、視線が背中にひしひしと
伝わってきます。
そこでのぼくたちは、まぎれもなく邪魔者であり不愉快な存在でした。
その視線は、ぼくたちを威圧し、出て行け、ここから立ち退けと
いっているようでした。
それは、圧倒的な存在感。
その場にいてはいけないという威圧感。
そして耳をすますと何か音が聞こえます。
雨音の怒号と共に、何かが擦りあうような無数の音。
ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし .........
這えずりまわり、動き回るようなかすかな音。
かさ かさ かさ かさ かさ かさ かさ .........
ぼくたちは、ただならぬ空気に凍りつき、振り返ることもできません。
顔を見合わせたまま、ぼくたちは恐怖で動くことも出来ず、声を出すことも
できず、ただただ逃げ出すチャンスを待つしかありませんでした。
毛穴という毛穴が開き、体中の毛という毛が逆立ち、心臓から送り出されるはずの
血液さえも凍りついたかのように、少しでも動いたら・・・・という恐怖が全身を包みました。
何時間たったでしょうか?
いや、たった何秒間かの沈黙です。
ぼくは固まってしまった首を、一体何者なのかという
好奇心から、ゆっくり、ゆっくり、廻し始めました。
しかし見てはいけないという恐怖、防衛本能がそれを妨げるので
見えない力が顔を押し戻し、首を上手く廻すことができません。
しかしこのままでは、確実にやられてしまいます。
その恐ろしいまでの視線が、早く出て行かなければ・・・・
という物言わぬ訴えが背中にひしひしと伝わってくるからです。
ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし .........
かさ かさ かさ かさ かさ かさ かさ .........
その目じりに入る全ての光景を、今でもはっきり脳裏に焼きついています。
洞穴の奥には何もいません。
蠢く者の正体は、そこにはなかったのです。
ほんの少しの視界が、床から壁、天井に移ったその時です。
ぼくはついにその正体を見てしまいました。
それが何か分かった瞬間、
その正体に気がついた瞬間。
ぼくの凍り付いていた血液が一気に逆流をはじめ、胃が反り返り
いまにも口から出てきそうな吐き気、息が詰まり一気に動き出した心臓が
肋骨を突き破るような激しい鼓動。
無数に蠢く、長い足。
何かを探るような、細長い触覚。
黒光りする、丸い胴体。
そして、薄明かりに乱反射する光る青白い無数の目。
ぼくが見たそのおぞましい物の正体は、
なんと恐ろしい数のかまどうまの大群だったんです!!
その身の毛もよだつ蠢くおぞましいものは、天井から壁までびっしりと覆いつくし
こちらの動きを注意深く、伺っていたんです!!
洞穴の入り口付近、つまりぼくたちの背中辺りから5~6m先の奥の突き当りまで
の天井から壁に、かまどうまの大群がびっしりと、その身を互いに寄せ合うように
張り付き、ぼくたち邪魔な侵入者を拒むようにヒソヒソと触覚で、襲い掛かる
相談をしているようでした。
ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし .........
かさ かさ かさ かさ かさ かさ かさ .........
見てはいけないもの見てしまった、次の瞬間です。
ぼくは驚きと恐怖のあまり、手に握っていた懐中電灯を落としそうになり
あっと思った瞬間、そのスイッチを押してしまったのです。
一瞬、洞穴の全てが光に照らされ、その全容が浮かび上がりました。
その光線を浴びた、おぞましく蠢いていた、かまどうまの大群は
その光に驚き、すべての動きをピタリと止め、その空間にいる全ての物の緊張が
一心にその懐中電灯に集中しました。
ぷつっ
なにかの糸が切れた瞬間。
ぼくとしげちゃんは、お互いを見ることもなく、同じタイミングで
全てのものを投げ出し、洞穴から転げ出ました。
その転がり出る瞬間、後ろで音が聞こえました。
どさささささささ...........................................
そのあとの記憶は断片的にしかありません。
転がり出た後、大雨の中、山の坂道を物凄い速さで駆け下り、二度三度転びながら
しげちゃんが後ろで悲鳴に近い声をあげてたような気がしますが、定かではありません。
家に帰ってからも、何をどうしてこうなってしまったかを話すこともできず、ただ投げ出して
きてしまった懐中電灯が気になりましたが、お袋には本当のことが言えず、また叩かれ
怒られても、どこへやったかは白状しませんでした。
数日後、気になり一人で晴れた日に見に行ってはみましたが、あの恐怖が蘇り
のぞくこともできず、今ではその防空壕がどうなっているかわかりませんが、
大人になった今でも、その場所にすら行く気にはなれません。
皆さんも、気をつけてください。
やつらが、どこの暗闇で待ち構えているかも......
思い出すだけで、身の毛もよだつ体験です。
心臓の弱い人は、読まない方がいいかも・・・

(注意)長いので、時間のある時に読んでください

・・・あれは、ぼくが小学校3年生くらいの夏休みの出来事でした。
近所のしげちゃんとぼくは大の仲良しで、ケンカもしましたがいつも一緒に遊んでました。
しげちゃんは、虫を捕まえるのが得意で、よく二人で近くの山に入ってはカブト虫やらクワガタ
やら、カエル、赤ベラ、カマキリ・・・など、虫という虫を集めて遊んでいたものです。
子供だったので、どこでも行くし、どこでも入るし、山や田んぼ、池や川、射撃場や納屋。
怒られても懲りない、近所でも有名な悪がきコンビでした。
ぼくの家の前には牛舎が2舎あり、その裏の山がぼくたちの縄張りでした。
その牛舎は今となっては、引越してしまいなくなってしまいましたが、夕方になると
モォ~とか、ムヒィーッとかいう声が響き、夕焼けとともに山おろしの風にのって
牛の糞尿のにおいが漂ってきます。
当時は当たり前だったので、くさいと思ったことはなく
どちらかといえば、好きだったような気がします。
事件が起きたその日は、朝から薄暗く今にも雨が降りそうなジメジメした暑い日でした。
いつものようにぼくたち悪がき二人は、夕方のパトロールをしに裏山に登りました。
次の日の朝一番にカブト虫を捕まえるべく、仕掛けの様子を見に行くのです。
木の切り株にガーゼに砂糖水を含ませ、割れ目に押し込んで置き、
それを10箇所くらい仕込んで、毎朝ラジオ体操前に見に行くのです。
多いときは一株に5~6匹くらい、カブト虫が集まっていますが、大概その3倍は
スズメバチや体長15cmほどの大きい蛾や名前の知らない気持ち悪い虫がいます。
それらをなんとか振り払い、お宝をゲットするのです。
砂糖水の入ったビニール袋と、アミとカゴを持ちいつもの巡回を終えると
薄暗かった空から、ポツッポツッと雨が落ちてきました。
気がつくと、空は厚い雲に覆われ、真っ暗になりかけてます。
こりゃひと雨くるなと察知したぼくたちは、大雨になる前に帰ろうと、田んぼのアゼを
いつものようにカエルや赤ベラを探しながら帰りかけ、田んぼの真ん中辺りまできた
ところで、バケツをひっくり返したような雨が降ってきました。
ぼくとしげちゃんは顔を見合わせ、ニサリと笑いました。
実は、秘密の雨宿りの場所があったのです。
ぼくはその時、家から懐中電灯を黙って持ち出してました。
当時懐中電灯は、子供の憧れの宝物でした。
暗闇を照らす懐中電灯は、夜更かしやいたずらをするには最高のアイテムで
何度となく黙って持ち出しては、隠し持っていたので、よくお袋に叩かれました。
その日も首尾よく懐中電灯を持ち出したぼくは、落とさないようにポケットから
出し、しっかりと握って秘密の場所へ走り出しました。
その秘密の場所とは、昔誰かが掘った、防空壕。
当時ぼくたちは、そこは洞穴だと思ってましたが、防空壕だったという
その事実は後になってから知りました。
その洞穴は、道からそれて一段上がった墓地の裏にありました。
間口は約1mくらいで、奥行きは大体5~6mくらいで子供が入ると
膝立してやっとぐらいの高さで、天井からは草の根っこが垂れ下がり
一番奥にはコップや茶碗のようなものがあり、なにやら薄気味悪い感じが
ありましたが、子供だったぼくたちには恰好の遊び場でした。
それまでぼくたちは、何度となく入ってはお菓子やジュースを持ち込み
寝そべって遊べるように、ゴザまで持ち込みひと時の冒険を楽しんでいました。
勢いよく振り続ける雨は止むどころか、ますますひどくなってきます。
びしょびしょになったぼくたちは、懐中電灯を点ける間もなく、その洞穴に
滑り込みました。
薄暗い洞穴の中でぼくたちは、顔を見合わせほくそ笑み、
どうしてこんな時に、お菓子とジュースを持って来なかったのか悔やみました。
しかしそんな浮かれた気持ちは、一瞬にして消え去りました。
何かいる?
何かがぼくたちを凝視するかのような、視線が背中にひしひしと
伝わってきます。
そこでのぼくたちは、まぎれもなく邪魔者であり不愉快な存在でした。
その視線は、ぼくたちを威圧し、出て行け、ここから立ち退けと
いっているようでした。
それは、圧倒的な存在感。
その場にいてはいけないという威圧感。
そして耳をすますと何か音が聞こえます。
雨音の怒号と共に、何かが擦りあうような無数の音。
ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし .........
這えずりまわり、動き回るようなかすかな音。
かさ かさ かさ かさ かさ かさ かさ .........
ぼくたちは、ただならぬ空気に凍りつき、振り返ることもできません。
顔を見合わせたまま、ぼくたちは恐怖で動くことも出来ず、声を出すことも
できず、ただただ逃げ出すチャンスを待つしかありませんでした。
毛穴という毛穴が開き、体中の毛という毛が逆立ち、心臓から送り出されるはずの
血液さえも凍りついたかのように、少しでも動いたら・・・・という恐怖が全身を包みました。
何時間たったでしょうか?
いや、たった何秒間かの沈黙です。
ぼくは固まってしまった首を、一体何者なのかという
好奇心から、ゆっくり、ゆっくり、廻し始めました。
しかし見てはいけないという恐怖、防衛本能がそれを妨げるので
見えない力が顔を押し戻し、首を上手く廻すことができません。
しかしこのままでは、確実にやられてしまいます。
その恐ろしいまでの視線が、早く出て行かなければ・・・・
という物言わぬ訴えが背中にひしひしと伝わってくるからです。
ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし .........
かさ かさ かさ かさ かさ かさ かさ .........
その目じりに入る全ての光景を、今でもはっきり脳裏に焼きついています。
洞穴の奥には何もいません。
蠢く者の正体は、そこにはなかったのです。
ほんの少しの視界が、床から壁、天井に移ったその時です。
ぼくはついにその正体を見てしまいました。
それが何か分かった瞬間、
その正体に気がついた瞬間。
ぼくの凍り付いていた血液が一気に逆流をはじめ、胃が反り返り
いまにも口から出てきそうな吐き気、息が詰まり一気に動き出した心臓が
肋骨を突き破るような激しい鼓動。
無数に蠢く、長い足。
何かを探るような、細長い触覚。
黒光りする、丸い胴体。
そして、薄明かりに乱反射する光る青白い無数の目。
ぼくが見たそのおぞましい物の正体は、
なんと恐ろしい数のかまどうまの大群だったんです!!
その身の毛もよだつ蠢くおぞましいものは、天井から壁までびっしりと覆いつくし
こちらの動きを注意深く、伺っていたんです!!
洞穴の入り口付近、つまりぼくたちの背中辺りから5~6m先の奥の突き当りまで
の天井から壁に、かまどうまの大群がびっしりと、その身を互いに寄せ合うように
張り付き、ぼくたち邪魔な侵入者を拒むようにヒソヒソと触覚で、襲い掛かる
相談をしているようでした。
ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし ぎし .........
かさ かさ かさ かさ かさ かさ かさ .........
見てはいけないもの見てしまった、次の瞬間です。
ぼくは驚きと恐怖のあまり、手に握っていた懐中電灯を落としそうになり
あっと思った瞬間、そのスイッチを押してしまったのです。
一瞬、洞穴の全てが光に照らされ、その全容が浮かび上がりました。
その光線を浴びた、おぞましく蠢いていた、かまどうまの大群は
その光に驚き、すべての動きをピタリと止め、その空間にいる全ての物の緊張が
一心にその懐中電灯に集中しました。
ぷつっ
なにかの糸が切れた瞬間。
ぼくとしげちゃんは、お互いを見ることもなく、同じタイミングで
全てのものを投げ出し、洞穴から転げ出ました。
その転がり出る瞬間、後ろで音が聞こえました。
どさささささささ...........................................
そのあとの記憶は断片的にしかありません。
転がり出た後、大雨の中、山の坂道を物凄い速さで駆け下り、二度三度転びながら
しげちゃんが後ろで悲鳴に近い声をあげてたような気がしますが、定かではありません。
家に帰ってからも、何をどうしてこうなってしまったかを話すこともできず、ただ投げ出して
きてしまった懐中電灯が気になりましたが、お袋には本当のことが言えず、また叩かれ
怒られても、どこへやったかは白状しませんでした。
数日後、気になり一人で晴れた日に見に行ってはみましたが、あの恐怖が蘇り
のぞくこともできず、今ではその防空壕がどうなっているかわかりませんが、
大人になった今でも、その場所にすら行く気にはなれません。
皆さんも、気をつけてください。
やつらが、どこの暗闇で待ち構えているかも......




